営業管理職への昇進を狙う人が勘違いしていること
営業管理職を目指していると公言する人がいます。
しかし、話をしていて違和感があります。
この人を昇進させても「きっと成果を上げられないだろう」と、わかってしまうからです。
本人は、営業で成果を上げて管理職になりたいと本気で考えています。
もちろん、手を抜く気はないでしょう。
営業管理職は、営業の延長線上にあると考えられています。
それではなぜ、トップセーラーが必ずしも管理職に昇進していないのでしょうか。
営業管理職への昇進を目指す人の多くは2つの勘違いをしています。
管理職を目指すなら、この2つの間違った考え方を修正しておくことが必要です。
今回は、2つの間違いを紹介した上で、管理職を目指す人へのアドバイスを書いています。
最後までじっくり読んでみてください。
間違い1:優秀な営業を目指せば管理職になれる
営業管理職というと、営業の延長線上にあると考えている人がいます。
もちろん、営業が全くできない営業管理職は少ないでしょう。
派手な功績を持った営業管理職も多く、そう思ってしまうのも仕方がない部分はあります。
営業の叩き上げで昇進する場合、管理職前の役職で管理職になる準備をすることがあります。
課長代理と言われる役職です。
課長代理は、管理職ではありません。
リーダーと言われる立場です。
課長代理に昇進して、将来が約束されたと勘違いして手を抜いている人は要注意です。
課長代理は、大きな分かれ道になります。
課長代理を長く続ければ続けるほど、管理職は遠のきます。
基本的に代理という役職は、1~2年修行して昇進するための役職だからです。
課長代理の間に、管理職になる準備をしておくことが大切です。
管理職前の準備ができている人は、あっという間に管理職に昇進します。
逆に、管理職の準備ができていない人は、代理で終わる可能性もあります。
準備をしないまま、営業の功績で管理職に昇進することもあるでしょう。
もし、準備不足のまま管理職に昇進してしまったら、すぐに管理職の勉強を始めてみてください。
心配しなくても、ほとんどの管理職(課長クラス)は、管理職の勉強をしていません。
管理職の勉強をしなければならないことに気づいただけでもチャンスです。
早い段階でマネジメントの基本を身につけ、さらに飛躍できるようにしましょう。
営業管理職は、営業の延長では課長までが限界です。
それも、プレイングマネージャー止まりになります。
課長と聞くと、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
朝から晩まで忙しそうに営業をしている人でしょうか。
もし、そうだとしたら、あなたのまわりにいる課長はプレイングマネージャーです。
もっと言えば、部長クラスでも、同じように走り回っている人もプレイングマネージャーです。
間違い2:管理職になれば楽ができる
バタバタと仕事をしている人は、そもそも管理職に昇進する器ではありません。
そういうと、管理職になったら、椅子に座っておけばいいと勘違いしている人もいます。
管理職は、頭を使うことが仕事になります。
つまり、考え続けることが仕事なのです。
営業が足で稼ぐのであれば、営業管理職は頭で稼ぐことが求められます。
責任の重さも営業マンの比ではありません。
自分の数字だけを追っている営業マンよりも大きな数字を任されることになります。
こんな理由で管理職になると苦労をする
- 電話を取るのが嫌
- 実務が忙しいから管理職になりたい
- 営業活動が苦手
プレイングマネージャーではなくマネージャーになると一日の行動は変わります。
朝から晩までテレアポをすることや、毎日顧客訪問をして怒られることは少なくなります。
部下に優秀な営業マンがいると、普段は営業マンが足で稼いできてくれるでしょう。
でも、営業マンとして活動をしていたころが楽だったと思うときがくるでしょう。
管理職になると、問題が大きくなった時点で営業マンから相談があります。
相談事は、管理職として腕が試されるときです。
お客様は、営業マンではどうにもならないことをあなたが解決してくれると考えています。
優秀な営業マンがどうにもならないことを、あなたは解決しなければならないのです。
あなたは、お客様だけでなく、部下にも試されていることになります。
ここで解決できれば、あなたの管理職としての価値は上がります。
でも、もし解決できない上に営業マン以下の対応をした場合はどうでしょうか。
きっとあなたは、二度と営業マンには相談されないでしょう。
もちろん、お客様にも相談されることはなくなります。
そして、管理職のあなたがもし、商談で関係を悪化させてしまった場合はどうでしょうか。
あなたは、部下が努力して構築したお客様との関係を台無しにしてしまうことになります。
逆の場合もあります。
あなたが自分でいけばすぐに解決できることでも、部下に挑戦させなくてはいけません。
あなたが優秀な営業マンなら、すぐに行動したくなると思います。
そこをじっと我慢して、部下が頑張ることを応援しなくてはいけません。
これは予想以上に大変なことです。
あなたが営業マンの抱えている問題を、代わりにすべて解決する方が楽でしょう。
それでも、部下の成長のために我慢しなければならないときがあるのです。
もちろん、部下を放置するわけではありません。
部下を監視するのではなく、見守りながら助言をしていきましょう。
営業管理職を目指す人にアドバイス
管理職になったら「風林火山」を意識しましょう。
風林火山
- はやきこと風の如く
- しずかなること林の如く
- しんりゃくすること火の如く
- 動かざること山の如し
いざ、行動するとなれば、誰よりもはやいのが営業管理職です。
部下が躊躇するような状況でも、すぐに行動に移すことを意識しましょう。
営業マンのようにギラギラしているだけの管理職ではいけません。
戦術を実行するときには、競合会社に気づかれないぐらい、水面下で準備をしましょう。
いざ、攻める(業界攻略、顧客深耕など)と決めたら一気に攻めましょう。
攻めると決めてから石橋をたたいているようでは部下も混乱します。
そして、いつでも飛び回るのではなく、動かないと決めたらじっと我慢することです。
チームとして成果を最大化するために、何をすべきかを考えましょう。
自分が動くのが最短であったとしても最善ではない場合は、リーダーに任せることも必要です。
ここでのポイントは、あなたの都合で考えないことです。
あくまで、継続的に成果を上げることを意識しましょう。
管理職は、チームとして成果を上げ、さらに成果を継続させることが求められています。
あなたが管理職を目指すなら、2つの間違いをしないように注意しましょう。
そして、風林火山を意識し、行動してみてください。