規模・業種に関係なく、 人材育成はどの会社でも大きな課題です。
人を育てることは、会社の将来を明るくします。
今回は、人材育成をする人を上司、人材育成をされる人を部下と書いています。
先輩社員が指導員となり、新人を育成する場合は上司部下の関係ではありません。
部下と言う表現に違和感がある人もいると思います。
記事を書いている私も、基本的には部下は仲間だと思っていますので違和感があります。
あくまで記事の内容をわかりやすくするために、上司部下と表現しています。
気になる人は、先輩、後輩に言葉を置き換えて読み進めるようにしてください。
人材育成とは
人材育成とは、人が人を育てることです。
人材育成のゴールは、部下が指導者である上司を超えることです。
部下が上司を超えるのが人材育成とはどういうことでしょうか?
部下が上司より能力が高くなるだけでは、まだゴールではありません。
部下が上司の役職を超えて、はじめて人材育成のゴールと言えるのです。
つまり、部下が上司を超えない限り、人材育成は終わらないと考えてください。
部下が上司を超えるためには、上司は知識や知恵を出し惜しみするわけにはいきません。
将来、自分を脅かす存在になるように部下を育てることを目指してみましょう。
あなたのコピーを作るだけではいけません。
それでは、部下があなたを超えることはできません。
部下の特性を見抜くことが大切です。
将来部下がどのような立場になっていくのかを考えましょう。
人材育成の手法
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2種類の部下の育成方法
- 全体の能力を平均値より高くもっていく育成(多能工化)
- 優れた能力を見抜き、優れた部分を伸ばしていく育成(特化)
全体の能力を平均値より高くもっていく育成
どちらかというと、従来型の育成方法になります。
個性を重視せず、各能力を平均以上に上げていく育成方法になります。
複数の異なる技能を身につけ平均値を上げていく多能工化は、組織を強化する上で重要です。
この育成方法は、基礎能力が高い人にはすぐに効果のある育成方法です。
営業であれば、事務、経理、財務など幅広い知識を持っているタイプなどは将来の幹部候補です。
マネジメントの基本まで学んでいれば、いずれ管理職以上になる社員です。
ただし、育成に失敗した場合は、どの技能にも特化しない平均的な社員になる可能性もあるので注意が必要です。
メリット
この育成方法の場合、部下が上司を超える可能性は高くなります。
上司は、どの能力も平均以上にあることで適材適所をしやすくなります。
ある程度、どの部署の仕事も理解していることは、マネジメントをするには重要です。
デメリット
平均的に能力を上げるため、特化した才能が開花しにくいことになります。
いろんな能力を引き上げる必要があるため、育成に時間がかかることがあります。
ポイント
現在の主流は、個人を重視した特化型の才能を伸ばすことです。
管理職以上に育成する場合は、すべての能力を平均以上に上げておくことは重要です。
優れた能力を見抜き、優れた部分を伸ばしていく育成
部下の優れた能力を伸ばし特化型社員を育成することで、組織力を高めることができます。
育成している部下は得意なことをし、苦手なことはそのことに特化した部下が補う体制になります。
異なる能力に特化した社員が多い組織の場合、みんなが同じ仕事をすることはありません。
メリット
部下の強みを伸ばすことができるため、成果が出やすく才能を開花させやすいことです。
部下は得意なことに特化して仕事を進めるため、強みがさらに強化されます。
デメリット
1つのことに特化した社員になるため、特化した仕事しか任せることができないことです。
配置転換が難しくなるだけでなく、辞められた場合に人員補充が難しくなる可能性があります。
管理職以上に昇進する人は、ある程度オールラウンドプレイヤーになっておく必要があります。
自分のしている仕事しかわからなければ、組織全体を見て判断することが難しいでしょう。
特化型社員では、専門職と同じです。
視点が高く、視野が広い人でなければマネジメントはできません。
マネジメントができなければ、管理職として通用することは難しいでしょう。
人材育成を成功させるには
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人材育成を成功させるには、段階を踏んで部下を育成していく必要があります。
能力が高い部分を伸ばしながら、少しずつ弱みを克服していくように育成方法を工夫してみてください。
ただし、1から10まで教えることは避けましょう。
常に1から10まで指示をしてしまうと、1から10まで指示をしなければ動けない指示待ち族になります。
人材育成は、ヒントを与え、部下が成果を上げるまで待つ根気が必要です。
ポイントごとに仕事をチェックし、部下が正しい行動を取れるよう軌道修正をしていくことを意識しましょう。
将来は、あなたがいなくても、部下が自分で正しい判断ができるように育てましょう。
あなたの下で成果を発揮できても他の上司の下では能力が発揮できないようでは、一人前の社員ではありません。
あなたがいなくても、能力を発揮できるような人材育成をするのが理想です。