転職で中小企業を狙う人が知っておくこと
かつて、中小企業はいい人材獲得をすることに苦労していました。
時代は変わり、転職をすることが当たり前になりつつあります。
終身雇用が当たり前ではなくなったのです。
働く人の感覚も変わりました。
愛社精神のある時間を売る社員から、成果を売る社員に変化しつつあります。
大企業から中小企業に転職する人も増えています。
今までは、いい人材を獲得することを諦めていた中小企業にもいい人材が流れています。
大企業から中小企業に転職を考えている人は、この時代の変化を知っておく必要があります。
伸びている中小企業は、昔のような下請けからの脱却を図り、今の時代に合わせた変化をしています。
中小企業の強みは初動がはやいことです。
組織が小さい分、決裁に時間もかかりません。
強い中小企業に転職する場合は、大企業出身者でも油断は禁物です。
大企業からの転職というだけで、成功が約束されているわけではありません。
むしろ、本気で仕事をしている中小企業社員のレベルの高さに驚かされるかもしれません。
ベンチャー、スタートアップ企業だけでなく、歴史のある中小企業も変化を始めています。
時代の流れがはやくなったことで、生き残りをかけてしのぎを削っているのです。
「大手で通用しなかったけど、自分のレベルからして中小企業なら通用するだろう」
このような甘い考えは捨てておきましょう。
今はこう考えるのが正しいでしょう。
「大手で通用しても中小企業で通用するかはわからない」
「大手で通用しなかった人は中小企業でも通用しない」
大企業と中小企業では戦略が違う
大企業と中小企業では、仕事の流れは大きく変わります。
どちらがいいというわけではなく、大企業と中小企業では仕事の流れが違うことを知っておいてください。
中小企業は、常に人手不足です。
大企業ほど業務の細分化もされていませんので、多能工化が当たり前になっています。
営業であっても、電話を取ったり、事務処理をしたり、商品準備をするのも普通のことです。
何でもできるようになっておかないと、中小企業では通用しないのです。
ホワイトカラー意識の強い大企業出身者は、このギャップに苦しむことになります。
他部署の仕事も手伝うのが当たり前の姿勢から学ぶことも多いでしょう。
大企業の戦略
大企業には大企業の戦略があります。
潤沢な資金と人員をうまく活用することで強者の戦略を打つことができます。
価格競争になれば潤沢な資金を活用して、まとめ買いで仕入価格を下げることも可能です。
新規開拓をするときは、専門の人員をあてがうこともできます。
特定エリアの景気が悪くなったとしても、景気のいいエリアを攻めるだけの力があります。
仮に日本の景気が落ち込んでも、力の配分を海外ビジネスに変更することもできます。
マーケットは世界中です。
大企業は規模を利用した戦略を打つことができるのです。
中小企業の戦略
中小企業には、中小企業の戦略があります。
大手企業が強者の戦略なら、中小企業は弱者の戦略です。
ランチェスター理論のような戦略です。
地域を絞った攻略、業界を絞った攻略、商品を絞った攻略をすることです。
つまりは、特定分野で1位を狙う感じだと思ってください。
中小企業は、資金、人員などに限界があります。
大手企業のように営業マンがマーケティングだけをしている余裕はありません。
営業マンが外に出れば、手ぶらでは帰ってこないぐらいの気持ちがないと通用しません。
中小企業の強みは大企業にはできない身軽な動きです。
新しいことをすぐに始められる攻めの姿勢は、今の時代では強みになります。
資金、人員が足らないことで、一つ一つの仕事に時間をかけずどんどん完了していくことが重要です。
やる気がある人にとって、中小企業は魅力を感じる部分はあると思います。
中小企業は、はやくからあなたに活躍の場を用意してくれるでしょう。
それだけ責任も重大です。
そして、あなたの力が会社に影響を与えることもできるはずです。
中小企業で挑戦してみたいなら
転職が当たり前になったことで、 従来よりも高学歴の人が中小企業で働いていることも増えてきました。
中小企業のイメージが変わってきたとも言えるでしょう。
それでも、大手企業ほどの人材確保は難しいのが現状です。
あなたが、真剣に仕事に取り組むのなら中小企業に魅力はあります。
年功序列の残る大手企業よりも、はやくから昇進のチャンスもあります。
若くして重要なポジションにつくことも可能です。
大手企業から中小企業に転職して成功できるかどうかは、あなたの意識を変えられるかどうかです。
中小企業は一言でいうと、「給料のわりに仕事量が多く過酷」です。
本気で仕事をすればするほど仕事量が無限に増え、過酷になっていくのが中小企業です。
つまり、仕事量の差が激しいということです。
中小企業への転職は、ステップアップのチャンスにもなります。
論理的に仕事をしていた大企業出身者は、中小企業の仕事を見て驚くことになります。
思っている以上に、中小企業の人たちは感覚で仕事をしています。
ベテラン社員の、感覚に頼った仕事からの脱却は中小企業の課題でもあります。
危機感をもっている中小企業は、ベテラン社員の感覚だけに頼らない仕組み作りを始めています。
大企業出身のあなたは、その変革に大きな貢献ができる一人になるでしょう。
大手企業にいるときは、マーケティング戦略がどうみたいな戦略の話があります。
中小企業は、日々の仕事の処理に追われている人が大半です。
もちろん、頭角を現す人は仕事に追われることなく段取りをしていますが。
大企業から中小企業への転職が向かない人
大企業から中小企業に転職することが向かない人もいます。
転職できたとしても、中小企業で活躍しにくい人を紹介しておきます。
中小企業で活躍しにくい人
- 学歴など過去の功績にしがみつく人
- ステータスなどを自慢する人
- 大手企業で通用せずに逃げ出した人
- 中小企業への転職が妥協と考えている人
- 昇進したい意欲がない人
過去の栄光を捨て、本気で仕事をする気にならなければ中小企業で成功するのは難しいでしょう。
大手企業ですぐに挫折して、自分の実力なら中小企業がいいのかもしれないと考えている人は要注意です。
当たり前のことですが、仕事ができる人は、規模に関係なくどこの会社にいっても活躍できます。
逆に、仕事ができない人はどんなに小さな規模の会社にいっても活躍できないのです。
大手企業と中小企業は、別のステージだとお考え下さい。
転職したら、1から仕事を覚えるぐらいの覚悟が必要です。
※ここでの中小企業は、古い業界だけでなくスタートアップ企業も含みます
大企業から転職する人の強み
大企業から転職をする人には「強み」があります。
それは、規模の大きな仕事をした経験です。
中小企業でも成長している企業は、少しずつ規模を拡大しています。
あなたが活躍していれば、いずれあなたの力を会社は必要になるでしょう。
「俺は大企業で大きな仕事をしていたからこんな小さな仕事はできない」では売れません。
中小企業のやり方をまずは謙虚に学んでみましょう。
大手企業の経験を活かすのは、管理職になってからです。
あなたが昇進して改革をするときがきたときに、大手企業の経験を活かせばいいのです。
大企業から中小企業に転職する人へのアドバイス
「郷に入っては郷に従え」です。
新しい会社に入れば、学ぶことはたくさんあります。
優秀な人ほど、謙虚に学んでいます。
まずは、学ぶことに集中してください。
学びもせずに自分のやり方で進めようとするとうまくいきません。
大企業で成功したやり方がそのまま通用するわけではありません。
厳しいようですが、大企業で通用しなかった自分のやり方を通すことはやめておきましょう。
大企業で通用しなかったこと自分のやり方が、中小企業なら通用すると思うこと自体間違っています。
中小企業にも優秀な人はいます。
小さなステージではもったいないと思うぐらいの人もいます。
彼らに共通しているのは、特定の業界だけで通用する知識に固執していないことです。
そして、今までのやり方に疑問を持ったことはすぐに変化させようとしています。
変化を嫌う人たちの抵抗で 、大企業ではつぶされてしまう可能性がある優秀な人たちです。
変化や挑戦をしている人を見つけて、とりあえずついていってみてください。
新しい発見があると思います。
あなたの大手企業の経験を活かせるのは、営業マン時代ではありません。
大企業の経験が活かせるのは、あなたが昇進して重要なポジションに就いたときです。
大きな決断をするときに、あなたの経験は中小企業にとって役に立つでしょう。
転職で中小企業を狙うあなたが成功することを願っています。
ぜひ、あなたが中小企業を元気にする起爆剤になってください。