マネジメントの本質は『考え続けること』です。
マネジメントと言えば、管理職以上に必須のスキルです。マネジメントで成果を出すために、様々なマネジメントスキルが紹介されています。マネジメントをする上でもっとも重要なゴール設定、ゴールに向かう戦略、戦略に見合う実務レベルの戦術。テクニックとしてのマネジメント手法を覚えることは成果を出すためには重要です。
ただ、マネジメントの本質についてはあまり触れられていないようです。マネジメントには、テクニックに溺れてしまい本質を見失う落とし穴があることを知っている人はあまり多くありません。
今回は、マネジメントで成果を出し続けるために必要なマネジメントの本質について学びましょう。
マネジメントの本質は考え続けること

マネジメントの本質は、考え続けることです。
マネジメントには、視点を高くして全体を見渡すとか、時間管理をするとか、周囲を巻き込んでチームとして成果を出すなどのテクニックはあります。あるいは、ヒト、モノ、カネを必要なところに配置することも必要です。
マネジメントは、時代の変化にも通用するスキルではありますが多少の修正は必要です。マネジメントの正解は1つではないのです。
時代、業種、業界、あるいは働く社員のタイプ、業績、向かう方向性などに適したマネジメントをすることで、成果を出しやすくなります。逆に、過去に通用したマネジメントの方法をそのまま続けるだけで成果を出し続けることは難しいでしょう。
営業マンへのマネジメントは変化している
例えば、通信機器が発達した現代では、お客様はある程度の情報を入手することができます。何も知らないと思って無茶苦茶な営業をすれば会社の信頼はなくなるでしょう。
働き方も変化しています。高度成長期の頃とは需要と供給のバランスも変わっています。朝早くから夜遅くまで社員を拘束する根性論のマネジメントを続けている場合は、見直しが必要になるでしょう。
基本を守りつつ時代の変化に対応できるマネジメント
マネジメントをする立場の人は、常に考え続けることが重要です。マネジメントにベストはありません。マネジメントは、ベターを改良し続けることを目指しましょう。
時代の流れは早くなっています。時代の流れについていけるだけの変化を続けることが求められています。マネジメントをする立場の人が変化し続けることが重要なのです。
マネジメントは基本に忠実であればあるほど成果が出やすい

マネジメントを成功させるコツは、基本に忠実であることです。
先ほどの変化を続けることと矛盾していると感じた人は、かなり勉強をされていると思います。もちろん、変化を続けることと真逆のことを言っているわけではありません。
マネジメントのゴールは考え続けることです。しかし、マネジメントの実行は、派手さよりも基本に忠実であることが求められます。
一見、派手なパフォーマンスをしている若い管理職を見ていると奇抜なマネジメントをしているように見えます。しかし、派手なパフォーマンスとは裏腹に成果を上げている人のマネジメントの戦術は基本に忠実です。
マネジメントの基本に忠実であるためにはゴール設定が必要
基本に忠実であるためには、ゴール設定は明確であることが重要です。ゴール設定が明確であればあるほど、主軸がぶれなくなります。主軸がぶれないとは土台を固めることでもあります。主軸がぶれない中で、ゴールに向かう道筋を時代に合わせて変化させることが重要なのです。
マネジメントのコツは多くの声に耳を傾け自分で決断すること

マネジメントを成功させるコツは、多くの声に耳を傾けることから始まります。市場が求めていることは何か。お客様が気づいていない潜在需要は何かを知ることが重要です。あなたが管理職以上の場合は、市場の声を直接聞く機会は減っているでしょう。あなたの代わりに社員がお客様の声を聞いているはずです。
ビジネスの基本は、お客様の困りごとを解決することです。社員が持ち帰った情報に耳を傾け、たまにはあなたも直接市場の声を聞き、そして進む方向を決める必要があります。あなたのマネジメントは、お客様を始め、社員を完全に無視した内容では成果を出すのが難しくなると考えておきましょう。
マネジメントをするあなたが決断すること
マネジメントのゴールは、マネジメントを行うことで成果を上げることです。成果を上げるための行動を意識しましょう。
注意したいのは、多くの人の声を聞き判断できなくなることです。「Aさんの意見とBさんの意見を聞いていたらどうしたらいいかわからなくなったので誰か決めてほしい」こんなことを言っていては、マネジメントができているとは言えません。
判断することを避けるのは、リスクを背負う覚悟がないからです。リスクを背負う覚悟がない人は、マネジメントをする立場になるべきではありません。役職手当は責任手当の意識を持つことが重要です。
あなたの判断が誤ったときのリスクを理解することで、リスク回避の方法を考えるなどの対策を講じれば必要以上に恐れることはありません。耳を傾け声を聞き、そして判断をする勇気を持つことがマネジメントには必要だと覚えておきましょう。
マネジメントに根回しは不要と考えることは危険

一匹狼で成果を出してきたプレイヤーほど、根回しをすることを嫌う傾向にあります。根回しは実力がない人がするものだと考えている人もいるでしょう。例えば、個人主義のアメリカのイメージは、アメリカンドリームであり成果主義だと考える人は多いと思います。
でも、実際ビジネスの世界では、根回しは当たり前に行われています。私も過去に、外資系の会社で、アメリカの人の根回しの効果を目の当たりにしたことがあります。根回しができるかどうかは、マネジメントをする上で重要なことだと覚えておきましょう。
根回しはゴマすりではないので注意
根回しを推奨すると、ゴマすりに走る人がいます。根回しとゴマすりは、全くの別物なので注意が必要です。
場を制するには、参加人数の1/3の賛成票が必要です。根回しは、1/3の賛成票を獲得するために行われます。変化には必ず抵抗があります。会社をよくするための変化を促進するときには、強引に進めるだけでは社員はついてきません。社員が納得して同じ方向に進むためには、変化をすることに対する賛成票が必要になるのです。
周囲に影響力のある社員に根回しをして賛成票を獲得することは、社員を正しい方向に向かわせるためには必要なことだと知っておきましょう。
マネジメントの本質まとめ

マネジメントは学べば学ぶだけ奥が深いスキルです。マネジメントの本質を知っておくことで、時代の変化にも対応できるようになるでしょう。
マネジメントの本質
- 常に考え続けること
マネジメントを成功させるコツ
- 基本に忠実であること
- 自分で決断すること
- 正しい根回しをすること
管理職1年目の人へのアドバイス
最後に、管理職1年目の人へのアドバイスです。管理職1年目は、管理職見習いだと思っておきましょう。マネジメントの重要さに気づいた人からプレイングマネージャーを卒業してマネージャーになると知っておくことが重要です。
管理職以上は、管理職になる以上に狭き門です。あなたがいつ、プレイングマネージャーを卒業できるかで将来の昇進が変わると考えましょう。