仕事ができないとは
すごく知識があるのに仕事ができない、と言われている人がいます。
多くは中堅以上の社員で、専門知識も豊富です。
営業成績がよく、一部のお客様に評判がいい社員もいます。
仕事ができないとレッテルを貼られる社員は、いい人が多いのも特徴です。
いい人と聞くと、それだけで仕事がうまくいきそうに感じますが実情は違います。
いい人は、人柄だけで営業成績を上げる人も多く、営業マンとして成果を出せるタイプです。
しかし、上司の立場になったことを想定してみてください。
管理職以上は、いい人だけを演じているだけでは成果を出し続けるのは難しくなります。
昇進を狙う場合は、いい人を続けることで昇進が遠のくことがあると知っておきましょう。
上司のイメージ
では、実際に昇進して管理職以上になっている上司を見てみましょう。
あなたの会社の営業部長はどんな雰囲気でしょうか。
営業部長のイメージを、怖いという人が多いと思います。
では、なぜ怖いと感じるのでしょう?
眉間にしわを寄せているからではありません。
(眉間にしわを寄せている人もいるのは確かですが)
営業部長が怖い理由
- 堂々としている
- 目が鋭い
- 的確な質問をする
- 明確な答えを求める
- 時間に厳しい
営業部長が怖いイメージがあるのは、あなたの行動を見透かされていると感じるからです。
堂々としていて洞察力があり、質問も的確です。
報告は結論から端的に聞き、的確なアドバイスをされれば怖くて当たり前です。
営業マンが上司を怖いと思う理由
ある会社の、営業成績のよいベテラン社員に話を聞く機会がありました。
非常に楽しくやり取りをしている方です。
上司の相談を受けることも多いので、気になることを聞いてみました。
「私はあなたの上司ではありませんが、やはり私も怖いと思われているのでしょうか?」
「怖いですよ。上にいる人たちはみんな怖いです」
怖さの理由を聞いてみます。
「自分が何に困っているか報告をしなくても知っています。まだ相談していないのに的確なアドバイスをいただいたときは、すべて起こりうることを想定されていると感じます」
会社の中を思い出してみましょう。
あなたは、上司が不在のとき、ホッとしませんか。
仲のいい上司であったとしても、上司がいるかいないかで会社の雰囲気は変わります。
上司が不在のときに雰囲気が変わる理由
- 監視の目がない
- 空気が緩む
- 即決できる人がいないので仕事の流れが遅い
上司は、怖い顔をしろというのではありません。
実際、本当に厳しい上司は、部下を怒鳴り散らしたりしません。
冷静に、ゆっくりと穏やかに話しているときに社員は引き締まるのです。
上司は、部下に対して存在感が大きくなければいけません。
上司がいるだけで、良くも悪くも雰囲気が変わることが重要なのです。
つまり、営業部長の怖さは、見た目ではなく存在感です。
一般社員の考えているレベルより、高い視点で考えるのが上司です。
上司の考えていることがわかれば、昇進するヒントを掴むことができます。
時代の流れもあり、今は優しい上司も増えています。
見た目からして怖い、昔ながらの営業部長は減ってきているでしょう。
それでも、仕事に対する厳しさは、以前と変わらないと思っておきましょう。
もちろん、上司は厳しいだけではいけません。
上司がいることによる安心感が重要です。
上司の安心感は、お客様に一方的に責められているとき、社員を守る強さでもあります。
何か問題があったときに、軌道を修正するだけのパワーも必要です。
ただ、優しいだけの上司では、会社や部下を守りきれないのです。
仕事ができない人は実はいい人
いい人ほど仕事ができない理由は、仕事ではなく周囲に意識が向いているからです。
多くの人はみんなに好かれるために、いい人でいることが正しいと思っています。
実際は、いい人ではなくいい人を演じている人というのが正しい表現です。
いい人は、仕事が忙しいときでもいい人を演じ続けようとします。
いい人を演じるために、キャパシティを超えた仕事を安請け合いしてしまうのです。
一見、困っている人の仕事を代わりに受けてあげるいい人ですね。
でも、実際はやるべき仕事で手一杯なのに次々仕事を請けているのが現状です。
それは、いい人ではなく嫌われたくない人だからというだけです。
いい人を演じる理由は自信がないから
- 嫌われたくない
- 断る勇気がない
いい人は、仕事の成果よりもいい人を演じることを優先します。
仕事は、成果を上げることを優先しなければなりません。
あなたがいい人でいるために、仕事が遅れることは避けなければなりません。
部下のいない一般社員なら、責任の範囲も限定的です。
しかし、もし、上司が自分のキャパシティ以上の仕事を請けていた場合はどうでしょうか。
上司は、部下全員の仕事量を把握しながら調整するのも仕事です。
上司がキャパオーバーになっていれば、部下は相談することもできず混乱するでしょう。
昇進するためには、仕事の安請け合いをやめることを覚えなければなりません。
嫌われる覚悟のない人は、上司になるべきではないのです。
※実際に嫌われるわけではないのでご安心ください
昇進をするためには、いい人を演じるよりも存在感
あなたが昇進したい場合は、いい人をやめる努力が必要です。
努力と書いたのは、いい人を演じる方が楽だからです。
楽な選択ばかりをしていては、昇進を狙うことはできません。
いい人をやめるというと、急に厳しく部下に接する人がいます。
いい人をやめるとは、厳しくすることではありません。
あなたは、昇進するために本当のいい人になる必要があります。
部下の成長を真剣に考えているからこそ、厳しく指導をすることもあるのです。
あなたが目指すのは、表面上のやさしさではありません。
真剣に会社の将来、部下の将来を考え、成果を出すことが本当のやさしさです。
いい人を演じなくても、あなたが管理職として優秀であれば部下はついてきます。
この上司から学びたいと思うからです。
そして、あなたがいることで安心して仕事ができると思う社員が増えることが大切です。
何かあっても、必ず解決してくれる人なら部下はついてくるものなのです。
そこに歯の浮いたようなお世辞は必要ないのです。
あなたは、会社の将来の道を拓き、部下を守り切る自信がありますか。
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