「ブランディング戦略って難しそう」「ブランディング戦略って大手企業がやる戦略だよね?」発想がが逆だ。むしろ、会社名や商品名が大手企業ほど浸透していない中小企業ほどブランディング戦略は挑戦しておきたい戦略だ。
今回は、中小企業がブランディング戦略をするときに押さえておきたい3つのポイントを紹介しよう。最後には、営業マンが自分自身をブランディングする方法も書いておくので参考にしてみてほしい。
ブランディング戦略に挑戦するときの3つのポイント
- ターゲット(客層)を絞ること
- どのような価値を提供するかを決めること
- シェアしたくなるロゴやパッケージを考えること
ブランディング戦略はターゲットを絞るほうが伝達しやすい
ブランディング戦略を実行するときには3つのポイントを押さえることが重要だ。ポイントを押さえることができれば、今よりも自社や製品をブランド化することができるようになる。特に、1つめに書いているターゲットを絞ることは重要だ。お客様のターゲットを絞ると見込み客が減ると考える人がいるが実際は逆。ターゲットを絞ることで、あなたの提供する製品やサービスを必要とする人に情報が届きやすくなるのだ。
ブランディング戦略が成功するとどうなる?!

ブランディング戦略が成功するとマーケティング力や販売力がなくても売れるようになる。
ブランディング戦略は販売の常識を変える
多くの企業では、営業マンが製品知識やセールステクニックを磨くことで成果を上げやすくなるのが常識になっている。そして、マーケティングを行うことも常識になっている。
私もセールスの実務経験があるので、商品知識やセールステクニック、マーケティングを否定するつもりはない。マーケティングがしっかりしているメーカーの製品を販売するのは楽だし、商品知識の引き出しがあれば顧客の悩みを解決することもできる。セールスのテクニックを磨くことで成約率を上げることができるようにもなる。
しかし、継続して組織として成果を上げるためには知識やテクニックだけではなく、仕組みを変えることを検討しておく必要がある。ブランディング戦略は営業マンが販売しなくても売れる仕組みを作ること。管理職以上でチームとして成果を上げている人は、個人の営業力よりも売れる組織を作ることを意識している。テコの原理を働かせるにはどうすればいいかを考える習慣をつけておこう。
ブランディング戦略でブランド化に成功した事例
ブランディング戦略とはブランド化する戦略。ブランド化するのは、提供している商品やサービス。業界でいえば、自動車メーカーはブランディング戦略を成功させている代表とも言えるだろう。
レクサスはブランディング戦略の成功事例
例えば、トヨタはレクサスをブランド化することに成功している。トヨタの同等の車種より販売価格の高いレクサスは売れている。レクサスをブランド化をすることで、もともと海外メーカーを好んでいた裕福な顧客層の囲い込みに成功しているとも言えるだろう。トヨタのレクサスブランディング戦略は成功していることを誰もが認めている。
ブランドになるための要素
提供する商品やサービスがブランドになるためにはいくつかの要素を満たす必要がある。現段階で、ブランド化は日本のメーカーよりも海外メーカーの見せ方が長けていると言える。
自動車であれば、日本のメーカーは燃費、社内空間の広さ、馬力などのスペックを売りにして販売しているが、海外メーカーはお客様が買った後の体験を想像させることを重視している。海外メーカーのカタログを見れば海沿いを優雅に走る体験を演出している。販売店は、お店に来るお客様には一流の接客サービスや演出でおもてなしをし、高級車に乗っている心地よいステータスを体験してもらうのだ。
※最近は日本のメーカーもスペック以上に体験をシェアするブランド化に取り組んでいる模様
ブランディング戦略は中小企業ほど力を入れる戦略

ブランディング戦略をわかりやすくするために大手メーカーや製品を例に出したが、ブランディング戦略は大手だけの特権ではない。むしろ、ブランディング戦略に注力すべきは中小企業なのだ。
中小企業は、ヒト、モノ、カネの資源が大手企業ほど潤沢ではない。だからこそ、中小企業がブランディング戦略の3つのポイントを押さえることで、自社の商品やサービスをブランド化することで高単価の製品を販売することができるようになる。いい人材を獲得しにくい中小企業でも、仕組みを作ることで個人の力量に頼らない販売ができるようになるのだ。
営業マンは自分自身をブランディングすることも忘れずに
優れた営業マンは製品やサービスよりも自分自身を売り込むことに長けていると言われている。本来のブランディング戦略は自社の商品やサービスをブランド化する戦略だが、あなたが営業マンならあなた自身をブランディングすることを意識しよう。
お客様の声に耳を傾けない独りよがりの営業マンでは成約率を上げることはできない。お客様の要求に言いなりになっている営業マンも成果を上げることはできない。忙しい演出をしている「忙しい」が口癖の営業マンも仕事ができない。では、営業マンは自分をどのようにブランディングすればいいだろうか。
営業マンは、自分を大きく見せないときにブランド化は成功すると覚えておこう。お客様は第三者評価(口コミ)に流されやすい。あなたは等身大で営業マンとして働いているだけでいいのだ。あなたから買ったお客様があなたのサービスに満足すれば勝手にお客様を紹介してくれるだろう。
ブランディング戦略は時間のかかる戦略です。私の場合は、立場が上がってもお客様に接する態度を変えなかったことで自身のブランド化を成功させた経験がある。ブランディングの方法はひとつではない。あなたに合ったブランディングを考えてみよう。
ブランディング戦略のまとめ

ブランディング戦略の3つのポイントのまとめ。
ブランディング戦略に成功させる3つのポイント
- ターゲット(客層)を絞ること
- どのような価値を提供するかを決めること
- シェアしたくなるロゴやパッケージを考えること
さらに詳しくブランディング戦略を学びたいなら
最後に、私がブランディング戦略を学ぶときに役に立った本を紹介。初版は2017年に発売。私自身、ぼやっとしかわかっていなかったブランディング戦略を理解するヒントが掴めたので、ブランディング戦略がよくわからない、あるいは、知りたい人の入門書としておすすめ。本書は、高単価の販売に成功している漢字ドリルやダイソンのドライヤーなどの実例を紹介しながら、わかりやすい言葉で書いてくれている。現在、単行本と電子書籍で発売されているので気になる人はチェックしてみよう。
「こんなもの誰が買うの?」がブランドになる 共感から始まる顧客価値創造